ベーシックおよびエンハンスドはスタンフレックス概念に基づき設計されている。これは装備をモジュール化することで、換装や更新を容易にし運用の柔軟性を高め、SLEPの省コスト化を目的としたものであった。

モジュールの規格は各国によって異なっており互換性は無いとされているが、PMCや非正規武装組織などでは規格外のモジュールを違法改造して無理矢理セットアップするノウハウが出回っており、製造メーカーもそれを黙認している。

特性

KRVは適切なオートマトンと制御プログラムを用いれば、航空撃滅戦から地上支援まであらゆる任務を単独の機種で行うことが出来るが、数ある運用の中でも特に得意とされるものが要撃戦闘である。KRVは、地上待機状態から歩行によるタキシング、そしてベクタードエンジンによる垂直離陸までの所要時間が従来の固定翼機の十分の一以下であり、その特性は捕捉会敵まで一秒を争うスクランブル時において非常に有効であった。

逆に不向きとされるのが戦略爆撃任務であり、必要とされる多大な積載量はオートマトンに担わせるとしても、航続距離や巡航速度においてKRVは固定翼機に比して劣っていた。特に技術的に未成熟であった第一世代機は燃料消費が非常に激しく、増槽を用いても飛行時間は60分前後が限界であったため、長距離巡航などはまず不可能であった。第二世代機では原子力ジェットエンジンを使用しているため航続距離は大幅に伸張されたものの、ステルス性や巡航速度などで固定翼機に敵うはずもなく、長距離巡航からの攻撃任務には不適とされている。

KRVの枠を超えた究極のマルチロール機として開発された第三世代機は、弾道飛行システムや量子テレポートなどの機能を搭載しており星間侵攻任務などにも対応しているが、それに随伴できるオートマトンは2200年代においても未だ配備されておらず、実際にそのような長距離作戦で使用された例はない。

基本マニューバ

KRVはいかなる地形へも垂直離着陸が可能な移動管制室であり、最前線にてオートマトンを遠隔操作するための兵器である。戦場では状況の推移に合わせて素早く位置を移動し、安全圏と通信エリアの境界にてオートマトンの管制を行う。

操縦システム及びエクステリア解説

基本的な機体制御は主に二本の操縦桿と二つのペダルにて行う。

ラダー兼エレベータ(視点移動)は右操縦桿、スロットル兼ドリフト(平行移動)は左操縦桿、ピッチ上げ(上昇)は右ペダル、ピッチ下げ(下降)は左ペダルがそれぞれ担う。

KRV自体の火器管制は、右砲塔は右操縦桿トリガー、左砲塔は左操縦桿トリガー、迎撃機銃は自動制御および右操縦桿スイッチ、照準カーソルの移動と捕捉は右操縦桿アナログスティックにて操作する。

オートマトンの管制は、詳細な制御は正面コンソールにて行うが、戦闘機動時には左操縦桿トグルと左操縦桿ボタンで簡易的な命令を行うことができる。

第一世代機ではオーバーライドが、第二世代機では自動操縦システムが、第三世代機では思考制御が補助を行う事により、ドライバーはオートマトンの管制に専念する事が出来る。